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黒「……何故、笑える?」
松「…悪足掻きが、できたからでしょうか。」
黒「悪足掻き?」
松「ええ。最期の、ささやかな悪足掻きです。」
過去を変えることの許されなかった私の、ささやかな足掻き。
誰も気付かないだろう想いを託すことができたから。
松「……早く、ここから出た方がいいんじゃないんですか?貴方も、巻き込まれますよ…?」
黒「……。」
黒夜叉はしばらく松陽を見つめていたが、歩き出した後、振り返ることはなかった。
松「……すみません。小太郎、晋助、銀時、皆さん。」
もっと教えたいこともあった。
もっと色んな経験をさせてあげたかった。
松「最後の最期まで駄目な先生ですね。」
もう、何もしてあげられないけれど、幸せになってくれるといい。
笑いあえる仲間、付いてきてくれる仲間、ただ見守ってくれる人。
そんな人達に出会えることを。
松「どうか、幸せに……。」
意識が遠のいていくのを感じながらも、松陽はただ願った。
そして、松陽は眠りについた。
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