忘年会

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「おはよう佐々木。今日も可愛いな」 刹那、腹部に強烈な拳が入った。 忘れてた。こいつめっちゃ強いんだった。 可愛い顔とは裏腹に、空手だっけ?武術を覚えている。 でも道場に通ったことはなく、独学で覚えたそうだ。 おかげで溝に今までにない痛みを受けたのだが…。 「どうしたの谷口君?朝変なものでも食べたの?」 やばい。こいつは怒ると名前に君をつけるんだった。 いつだったか佐々木を怒らせてしまったとき、全力で逃げる俺に 「どうしたの?谷口君?」 と言いながら笑いながらこっちに向かってくるというトラウマを植えつけられた。 「すまない佐々木。以後気をつける…。」 瀕死寸前で言う俺。 弱い?それがどうしたというのだ? 「まぁいいや。そんなことより皆集まったし行くよ?」 俺の腹痛が「そんなこと」で済まされるのは癪だが、いつものことなので頷いて佐々木の後を追った。 この後の出来事が俺の残りわずかな中学生活を変えていくとは思わずに…。
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