0人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
私は現在、死にかけている。いや殺されかけていると言ったほうが正しいのかもしれない。
私の目の前に死んだはずの男が、私の首を両手で力強く絞めて私を睨み付けている。
数か月前、私はストーカー被害に遭っていた。きっかけは些細なことだったと思う。同級生であった彼は虐められていて、元々正義感が強かった私は虐められていた彼を助けた。今思えばそこからだった。彼が私にまとわりつくようになったのは。
始めは毎日声を掛けてくる程度だった。それから次第に彼の行動がエスカレートしていき、独り暮らしをしていた私のアパートにまで押し掛けてくるようになってしまった。警察に相談する方法もあったが、あまり騒ぎになることを嫌った私は当時付き合っていた彼氏に頼んで彼を追い払ってもらった。それから数日間、彼は姿を見せなくなり私は安心した。
そして彼は一週間後に自宅で遺体で見つかることになる。首吊り自殺だったらしい。そのニュースを聞いた私は最初こそ驚いたが、彼はもうこの世に居ないと思うと心の底から安心した。でも、私はここから再び彼からストーカーされることになってしまった……
最初のコメントを投稿しよう！