怨霊

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 な、なんで鞄の中に手鏡があることがわかるの!?……でもこれは大事なものだし…… 「不思議そうな顔をしているな」 私の顔を見ていた天心さんが無表情で静かに呟くと、ゆっくり立ち上がって机のほうへ歩いていった。 「て、天心さんは霊能力者とかですか……?」 私は彼の正体を知りたくなり思い切って尋ねてみた。けれど彼は私の言葉を聞くなり、馬鹿にしたような笑みを浮かべながら振り返って私を見つめてこう呟いた。 「そんなことを真顔で聞いてきたのはお前が初めてだな」 彼の笑い顔は思ってより暗くはなかった。が、天心さんの言葉を聞いた途端に私が口走った内容を改めて思い出せば恥ずかしくなり思わず俯いてしまった。 「まぁ、確かに一般的に言えば霊能力者だな」 「一般的に……ということは何か違うんですか?」 顔の熱さが退いてから私は彼の言葉を聞いていたけれど、相手の言葉が気になり尋ねてみた。  「……九十九神って知ってるか?」 「知らない」 天心さんの口から聞いたことがない言葉が出てきたために、即答。
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