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うんどう
嬉々丸は壁に貼られた園内の時間割を、黙って仇敵のように見つめていた。
幼稚園児らしい運動用の体操着と、幼稚園児らしい体格に、大人びた嫌気満載の表情を張り付けているのだ。
大抵の他の幼稚園児は、怖くてあまり近付かない。
別に運動音痴なわけでも、外で遊ぶのが嫌いな訳ではない。むしろ好きと言っても良いだろう。
問題はそこではない。
…そんな所ではないのだ。
「るいちゃん!!」
「………………なに」
大抵付きまとってくるこの百香が、こと『うんどう』となると嬉々丸を連れまわし、したくもない遊びに付き合わせるのだ。
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