幼稚園児は笑わない:嬉々丸

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事件だごーとーだと騒いでいる百香を無視し、とにかくお茶を濁す術を嬉々丸は探す。 今は『お弁当』と『おうた』と『おひるね』の終わった午後2時半。 あと30分待てば3時のおやつで、先生達が持ってくるお菓子が食べれる。そうしたら百香も、ひとまずは落ち着くだろう。 悪いが今日もいつも通りの数百円のお菓子で我慢して貰おう。無い物は無いのだから!! 「ねぇ!!聞いてるの、るいちゃん!!」 癇癪玉のような百香の声に思考の原野から戻り、嬉々丸は仕方なく百香に向き直った。 絶対に隠し通して見せる!!…と至極後ろ向きな決意を抱きつつ。 「…聞いてるよ。君のケーキの話でしょ?でもそれって皆と一緒に使っている冷蔵庫に入れといたんだから、誰か食べちゃったのかも……」 「ふっふっふ。それは無い!!」 なぜか自信満々の百香だが、嬉々丸は聞かなくても分かった。 次の言葉が、全く的外れな事だろう…と。 「なぜならケーキの箱に“百香”と書いておいたから!!」 ババーン!! ……という感じで宣言する百香をよそに、嬉々丸は記憶を探っていた。 “そんな物有ったかな?”と。
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