幼稚園児は笑わない:嬉々丸

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とりあえずお茶を濁す感じに『3時のおやつの時間だから』と、百香を押して組のクラスに戻った。 まだ『うんどう』の時間が続いてはいるのだが、疲れた子ども達が早めに何人か戻っていた。 先生も一人いる。早音先生だ。 部屋に戻ってきた嬉々丸達を見つけると、早音先生はぎょっとしたように目線を逸らした。 嬉々丸は疑問に思う。 普通ならサボっていた嬉々丸達はうんどうの時間に“居なくなった”子ども達で、戻って来たのなら先生は安堵する筈だ。 「う~ん」 不信に思いながら、なんだかんだと始まったおやつの時間に、先生達が園児達を呼び集めている。 テーブルに置かれたお菓子の数々に他の園児達が盛り上がる中、嬉々丸は一人で座って考え始める。 披露する気のない推理を。 嬉々丸が食べた代わりに現れたケーキ…。 落ちていた『ももか』の紙…。 感じた視線…。 挙動不審な早音先生…。 そして嬉々丸は一つの仮説を立て、一人ほくそ笑んだ。 これはもしかしたら、話を有耶無耶に出来るかもしれない!!
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