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「あの屋敷もずいぶんと、手の込んだセキュリティーだったな。ま、やるだけ無駄なんだけど……」
ぶつぶつ言いながら、黒い手袋をつけたままポケットに手を突っ込んだ。
ウォルトは、その様子を見ながら他の荷物を下ろした。
「噂の”赤い瞳”だ」
手のひらにのせ、それをウォルトに見えるように掲げた。
「わぉ……すごいな。さすがにきれいだな」
ライトはうなずいた。
「これが、呪われたブレスレットだとは、思えないな」
「え?」
ウォルトは聞き返した。
「今、なんて?」
ライトは、にやりと笑いながら「ほんの噂話だ」と言ったが、ウォルトはそう言う話を信じるタイプらしく、じっとブレスレットを眺めていた。
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