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先ほどから、耳から漏れる声に苛立ちを感じながら「チップ。少し黙っててくれ」と男が
小さくいう。
彼らが、狙っているのは、赤い瞳のような丸い形をかたどった、ルビーのブレスレットだった。
『わかった。わかったよ。あ!でもちょっと待て!その先にある、扉には要注意だ』
男は立ち止まり、耳に手を当てた。
「なんだ」
『この扉は、二重扉だから、簡単には開かないぞ』
「で?」
『で?じゃなくて、俺の出番だろ!!俺の!!』
男は、嫌そうに耳からイヤホンを外した。
苛立つ気持ちを落ち着かせながら、外したイヤホンを手に「わかったから、早く解除しろ。現場にいるのは俺たちだ。つかまったら、お前を殺すぞ」といった。
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