2.その男、有名

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『盗まれたのは通称“赤い瞳”と呼ばれる、伝説のレッドブレスレットです』 ウォルトは、目を丸くしてテレビを見た。 「これ、もしかして……」 視線をライトの方に向け、チップが手にもっている”赤い瞳”を見た。 『犯人は、かの有名な財団の社長、アラン・L・エリコムの息子、ライト・L・エリコム、通称”ルパン”と判明……』 「おい、おい、やばいぞ……ライト、ライト!!!」 ライトは、チップの頭をはたきながら、ウォルトの方を見た。 「さっきの事が、もうニュースになってる」 「そんな事はないだろう。警察は俺の事件を一度だってテレビに流した事はないんだ」 「いや、でも……これ、君の事だろう?」 そう言ってさらにテレビの音量を上げた。 『“ルパン”の犯行手口は、実に巧妙で……』 ライトはむっとした表情を見せた。
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