3.その男、標的

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ライトは、一人薄暗い路地を歩いていた。 時折、背後に視線をやりながら、徐々に歩くペースを速めて行った。 そして、角を曲がると一気に走りだしポケットの中をあさりながら、再び後ろを振り返ってみた。 見た事のない女が勢いよく角を曲がってきて辺りをキョロキョロと見回しているのが見えた。 「誰だ?」 ライトは、暗闇にまぎれ女の様子を伺った。 手を入れていたポケットから棒を取り出し構え、それを勢いよく振り払った。 カシャン、カシャンと音を立ててその棒は伸びた。 女はライトの姿を見つける事は出来なかった。 辺りを見回しながら携帯を取り出しどこかに電話をし始めた。
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