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ほほに手を当てると、ねとっとしたものがあたる。
「ちっ」
舌打ちをしながら、男の方を見ると目を見開いたままこちらを見ていた。
額には鉛が食い込んでいる。
ライトは壁により辺りを見回した。
少し高いビルの屋上で、何かが光るのが見え目を凝らしてみた。
「スナイパー?」
遠くからでよく見えないが、その人物は、いそいそと屋上から姿を消していった。
ドスッと音が聞こえ、振り返ると額に鉛を撃ち込まれた男が倒れた。
「俺の勝ちだな」
そう呟き、ライトは男のポケットをあさり始めた。
「IDなしかよ。何者だ?俺を何故狙う……あのスナイパーは、味方か?」
男を仰向けにし、見開いている目をそっと隠すとその場を後にした。
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