3.その男、標的

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ほほに手を当てると、ねとっとしたものがあたる。 「ちっ」 舌打ちをしながら、男の方を見ると目を見開いたままこちらを見ていた。 額には鉛が食い込んでいる。 ライトは壁により辺りを見回した。 少し高いビルの屋上で、何かが光るのが見え目を凝らしてみた。 「スナイパー?」 遠くからでよく見えないが、その人物は、いそいそと屋上から姿を消していった。 ドスッと音が聞こえ、振り返ると額に鉛を撃ち込まれた男が倒れた。 「俺の勝ちだな」 そう呟き、ライトは男のポケットをあさり始めた。 「IDなしかよ。何者だ?俺を何故狙う……あのスナイパーは、味方か?」 男を仰向けにし、見開いている目をそっと隠すとその場を後にした。
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