8人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前に頼みがあってな」
「それにしても、堂々すぎないか?」
「それぐらいじゃないと、怪しまれるだろう」
弟は、諦めた様子でうなずいた。
「確かに。僕と兄さんとだったら、深くかかわり合いのない人間でない限り、見分けなんてつかないからね」
壁に掛けられている、鏡に目を向ける弟。
「それで?頼みってなんだよ」
ライトは、防犯カメラに目を向けながら「俺を狙ってるやつを調べて欲しい」と言ったあと、「このカメラ、声も聞こえるのか?」と付け足した。
弟は首を振りながら「狙ってるやつって、兄さん襲われたの?」と、驚いた顔でライトを見た。
「一人は、捜査員らしき女。顔は、丸顔で背は低め、髪の長さは肩くらいで色白。もう一人は、浮浪者みたいな恰好をした口の臭い男。そいつは、拳銃を持ってたから賞金稼ぎかなんかだろう。だが、スナイパーらしき人物に射殺された。スナイパーの詳細は不明だ。見つけた時には、後ろ姿しか見えなかった」
「捜査員に、賞金稼ぎに、スナイパーだって?みんなバラバラじゃないか」
「だから、それをお前に調べて欲しいんだ」
ライトは、弟の肩に手を置いた。
最初のコメントを投稿しよう!