3.その男、標的

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「お前に頼みがあってな」 「それにしても、堂々すぎないか?」 「それぐらいじゃないと、怪しまれるだろう」 弟は、諦めた様子でうなずいた。 「確かに。僕と兄さんとだったら、深くかかわり合いのない人間でない限り、見分けなんてつかないからね」 壁に掛けられている、鏡に目を向ける弟。 「それで?頼みってなんだよ」 ライトは、防犯カメラに目を向けながら「俺を狙ってるやつを調べて欲しい」と言ったあと、「このカメラ、声も聞こえるのか?」と付け足した。 弟は首を振りながら「狙ってるやつって、兄さん襲われたの?」と、驚いた顔でライトを見た。 「一人は、捜査員らしき女。顔は、丸顔で背は低め、髪の長さは肩くらいで色白。もう一人は、浮浪者みたいな恰好をした口の臭い男。そいつは、拳銃を持ってたから賞金稼ぎかなんかだろう。だが、スナイパーらしき人物に射殺された。スナイパーの詳細は不明だ。見つけた時には、後ろ姿しか見えなかった」 「捜査員に、賞金稼ぎに、スナイパーだって?みんなバラバラじゃないか」 「だから、それをお前に調べて欲しいんだ」 ライトは、弟の肩に手を置いた。
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