8人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんだ。ケン。忘れものとは珍しいな」
奥から男の声が聞こえてきた。
ライトは黙ってそちらに向かった。
返事のないことが不思議に思った声の主は、くるりと椅子を回転させた。
「よぉ」
ライトは、不敵な笑みを浮かべた。
「ラ、ライト……!!!!」
男は、驚きのあまりそれ以上声を出せないでいたが、手は非常ボタンを押そうとしていた。
「あ、あ。やめた方がいい。そんな事をしても無駄だ。あんたが一番わかっているはずだろ」
唇を噛みしめながら、男は悔しそうにライトを睨みつけた。
「何故ここへこれた」
「俺を誰だと思ってんの?親父」
「お前に、親父と呼ばれる筋合いはない」
勢いよく立ちあがると、拳銃をこちらに向けた。
最初のコメントを投稿しよう!