3.その男、標的

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「言ってくれるな、親父」 ライトは、ドアの方に視線をやった。 バタバタと足音が聞こえてくると、数人の男たちが一斉に部屋に入り込んできた。 「親父に忠告だ」 男たちに囲まれているライトは、視線を父親から離すことなくしゃべり続けた。 「俺は、あんたを許さない」 そう言うと手を後ろに回し、ポケットから黒い塊を出すとそれを勢いよく地面にたたきつけた。 ボンッと言う音とともに黒い煙が辺りを包み込んだ。 ゲホゲホと咳き込む男たちに、父親は罵声を浴びせた。 「せいぜい、気をつける事だな。あぁ、それから、俺を殺すために送り込んだ賞金稼ぎだが、奴は死んだよ。あんたが殺したようなもんだな。母さんみたいに……」 耳元で声が聞こえ、父親はゾクッと背中に汗をかいた。 「おい!お前たち!何をしている!ライトはここにいるぞ!!!」 父親は奇声にも似た声を発していた。 黒い煙に巻かれて、ライトの姿はすっかりとなくなっていた。 駆け込んできた男たちは、何の役にも立たず、ただただ涙目になった目をこすりながら、右往左往しているだけだった。
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