4.その男、移動

3/10
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/203ページ
ライトは、深呼吸をして近づいてくる音の後ろに立とうとした。 パーッとクラクションを鳴らす車のヘッドライトに照らされ、女の顔を見る事ができ、ライトは驚いた顔をした。 「ア、アリス!??」 探偵のアリスがライトの後をつけていた。 ライトは、思わず体をひっこめた。 「何故、あいつが?警察はもう動いてるのか?まさか、親父が呼んだのは……アリスだったのか?」 思考が一気にフル回転し始めた。 そんな事を考えているうちに、アリスが真横まできていた。 ライトはためらった。 『どうする……!!どうする!???』 頭の中で、その言葉が巡り続けた。 「すみません。奴を見失いました」 耳に手を当てそうつぶやくアリスは、ふとライトの隠れているほうに視線を向け首をかしげた。 「ちょっと待ってください」 そう言って、耳から手を離すとゆっくりと内ポケットに手を入れ、拳銃を取り出した。
/203ページ

最初のコメントを投稿しよう!