4.その男、移動

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銃口は下に向けたまま、それを隠すように体を曲げ、暗い細い路地に顔だけ突っ込んだ。 『どうした?アリス』 耳から漏れ聞こえる声に、我に返るアリスは「いえ。なんでもありません。わたしは、これからエリコムコーポレーションに行ってきます」と言うと、拳銃をしまいその場を後にした。 アリスがのぞいたすぐそばには、ライトが息を止めて隠れていた。 逃げる時間がなくその場でじっとしていたライトは、足音が遠くなるのを確認するとゆっくりと路地から顔をだした。 大きくため息をつくと、再び高くそびえたつエリコムコーポレーションのビルを見上げた。 「くそぉ。めんどくせぇな」 ライトは、急いでアジトに戻った。
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