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にやりと笑うと「聞きたい?」といやらしく聞いた。
ウォルトは、チップの頭を軽くはたくと「いいから早く教えてくれよ」と促した。
チップは、パソコンの画面をウォルトに向けた。
向けられた画面を食い入るように見たウォルトは、その中に並べられている数列に首をかしげた。
「なんだ?これ」
「今、警察のデータベースにハッキング中ってこと。情報が欲しいって、ライトが言ってたからちょっと俺なりに調べてみたんだ」
ウォルトからは「へぇ」と気の抜けた返事が返ってくるだけだった。
チップはがっくりと肩を落とし、画面を自分の方に戻した。
「それで?なんかわかったか?」
「ここの警察のネット事情はすげぇ甘くてさ。ファイアーウォールなんて簡単に崩せたし……」
ウォルトは、片手をあげて「俺にコンピュータの専門用語は、言わないでくれ」と言った。
「まぁ、ようは簡単に警察のコンピュータに侵入出来たってこと。それでわかった事があるんだけど……」
また、カタカタとキーボードを打ち始めると、すぐにウォルトに画面を見せた。
「これ、ライトの親父さんの事だよな?あの、女探偵となんか絡んでるみたいだな」
画面には、エリコムコーポレーションの写真と、その社長が写っていた。
「さらに気になるのは、その隣にいる人物」
チップは画面の左をトントンと、人差し指の腹でたたいた。
「これ、どう見てもライトだろ?」
ウォルトは、目を細め画面を再確認した。
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