5.その男、万能

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銃口を向けた先の人物に驚いたマットは、すぐに拳銃を上げた。 「お前っ……!!そうやって現るのやめろって言ってるだろ!!」 「まぁそう言うなって」 にやけた顔の男は、両手をあげてとぼけている。 「ライト……お前な、そう毎回毎回突然現れてると、そのうちホントにバンッと殺られるぞ?」 マットは、持っている拳銃を自分のこめかみに当てた。 「あぁ。そうなったら、それも人生だ。ところで、最近調子どうだ?」 「あぁ?なんだ?何をたくらんでる」 「……なに?あぁ、別に何も」 また両手を上げてととぼけた。 「なぁ。ライト、俺はもうとっくに隠居してるんだぜ?お前の盗みの手助けなんてできないぞ」 ガチャガチャと手元にある金属の破片を、大げさに片づけ始めた。 ガタン!! 「あぁ!!いてぇ!くそぉっ!!」 手から滑り落ちた鉄の塊を足に落としていた。 ライトは、痛そうな顔をしながら手近にあるものを手に取った。
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