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犬の頭部を持つ彼等は、そんな想像ができる程の知力もあるようだ。
布を巻いただけの彼の下半身からは、剛々しいものがりきり起ち、その先端はすでに濡れた光を発していた。
彼の仲間達は、すぐにその場所へと集まってきた。
どれも姿形はほぼ同じだったが、体型とそれぞれ携帯している武器は違うようだった。
最初に現れた獣人は彼と同じくらいの体型で、背中に幅の広い剣を背負っていた。
二番にやってきた背が高めで痩せ型の獣人は、腰紐に何本ものナイフを差している。
三番目に現れた背の低い獣人は、カマのように大きく湾曲した刀を背中に背負っていた。
そして四番目に現れた体の大きな獣人が手にしていたのは、何本もの棘の付いた棍棒だ。
どの武器も、長く使いこまれてきた跡が見られる。
それは、獣のような姿の彼等が、武器を使えるほどの高い知力を持ち合わせているという証拠だといえよう。
「グルルル…」
最初にこの場所にたどり着いた短剣を持つ獣人が、黄色く薄汚れた牙を覗かせながら声を出した。
低い獣の唸り声しか発しなかったが、彼等にはそれだけで充分に伝わったのだろう。
一頭は少女が走り去った方向の右へ。二頭が左の方へと再び姿を消す。
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