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星斗と昼飯を取ったあとも、マコトは考え事をしていた…いつの間にか、放課後になり、教室にはマコトだけになった。
「黒崎マコトくん。」
「あっ…君は確か、春風みのり?」
「そうよ。もう、みんな帰っちゃったよ?キミの友だちは部活みたいね。」
一日の記憶がほとんどないボクに、春風みのりは笑顔でボクに言った。
ボクは、疑問に思っていた事を、春風みのりに聞いた。
「春風…キミさ、黒死蝶の何を知っている?昨日の事件も…何か知ってるだろ。」
「サァ?じゃあ…少しダケ…ヒントをあげるよ。ワタシは蝶子とは昔カラの親友。そして、あのコのヒミツを知っている。昨日の事は、黒死蝶の鱗粉が起こした、死の呪いよ…。」
突然、片言混じりに話す春風みのりを不思議そうにマコトは見ていた。
教室の扉が開き、部活の終わった星斗が入ってくると、すでに春風みのりの姿は消えていた。
マコトは、いつものように、星斗と一緒に下校していた。
「呪い…ね…。」
マコトは、思わずそう呟いていた。
「ん?何か言ったか?」
「いや、何でもないよ。」
「最近、やっぱ変だぞ?」
「ああ、大丈夫。」
そうマコトが返事をすると、星斗が急に立ち止まった。
「あれ?あの子…。」
そう言った視線の先を見ると、あの少女がいた。
「黒崎マコト…やっとキたね。黒死蝶からのショウタイジョウに気を付けて。」
「黒死蝶はキミだろ。招待状って?」
そう尋ねた瞬間、黒い風と共に、少女は消えた。
「えっ?さっきの中園蝶子だろ?黒死蝶って…マコト、一体何の話しだよ!」
死の鱗粉は、掛けられたモノに死を導く、呪いの粉。
黒死蝶は、自ら欲するままに獲物を死の世界へと引きずり込み、その黒い羽で死者を隠す。
暗闇で現すその姿は…マボロシ…。
二人を見下ろすように、少女は背中に蝶の羽を生やし、空に浮かんでいる。
“マコト…キミは光。ワタシは光にも闇にもなれる。キミにワタシはミえるかな?…。”
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