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キミのそのヒトミは、ワタシのホントウのスガタをウツすカガミ。
ワタシをミツけるコトかデキルかな?
ボクが光ならば、夜光蝶の光に負けないほどの光を差してみせよう。
お前が陰なら、ボクが必ず見つけ出す。
ボクは教室に戻り、中園蝶子の元へと行った。
「中園!話しがある。今日、学校が終わったら会おう。」
「いいですよ。」
そう返事をした中園蝶子は、ボクに笑顔を向けた…だけど、その瞳の奥は一切笑ってなくて、ただボクを映していた。
放課後、空き教室で待ちあせた二人は、窓側で向かい合うようにしていた。最初に口を開いたのは、中園蝶子だった。
「で、ワタシにナニかヨウジ?」
「その話し方…黒死蝶と春風とそっくりだな。」
「ナンのハナシ?タシかに、ワタシと春風みのりはシりアい。ワタシも、黒死蝶はシっている。でも、ワタシはナニもシらない。」
「お前、ボクの夢の中の黒死蝶じゃないのか?」
「…だから?私が黒死蝶だったとしたら何?」
急に、片言ではなくなる蝶子にマコトが驚いていると、蝶子は話しを続けた。
「マコトの言う通り、私は黒死蝶。でも、私が死を招くのは、あの二人に恨みがあるから…黒死蝶は、恨みのない人に害は与えない…。私は、あなたの陰でもある。もっとよく、明るく光っていなければ、見えなくなるよ?最後の死は、君に捧げよう…絶望と言う名の死を…。」
最後の言葉を言い終わると、どこからともなく、沢山の黒死蝶が現れて、蝶子を囲んだかと思うと、周りが闇に包まれ、マコトが夜光蝶となった黒死蝶のあまりの光に目を瞑り、再び目を開けると、蝶子も黒死蝶の姿もなくなっていた…。
「きっ、消えた?!」
キミは、見えていないね。
何も知らないフリをしようとしているの?
早く、私を見付けてご覧よ。
また、死のニオイが近付いているよ…。
「また夢…。」
いつの間にか、夢の中?の声の主は片言ではなくなっていた。
あの声は…どこからするのか…?
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