10人が本棚に入れています
本棚に追加
中園蝶子と言う少女が二人の前に現れてから一週間。四月も半分を過ぎた頃、転入生がやってきた。
「HR始めるぞ。まず今日は、転入生を紹介する。入っていいぞー。」
「はい。」
「あっ…あの子。」
ボクは、その転入生を見て驚いた。
「じゃあ、自己紹介。」
「はい、中園蝶子です。家族の事情で、今の時期に急遽転入する事になりました。よろしくお願いします。」
そう言って、軽い一例をした。
「中園の席は、黒崎の隣な。あの、目が青っぽい奴だ。」
そう先生が説明すると、「はい」と返事をして、中園蝶子が席へやってくると、マコトに小声で話し掛けた。
「よろしく、クロサキマコトくん。」
「君、やっぱこの間の…。」
「サァ?でも、違うと言えば違うし、同じと言えば同じだよ。キミのその、コバルトブルーの瞳は、真実を映すんだよ。マコト。」
彼女の言葉を理解出来なかった。
ボクの瞳が真実を?意味が解らなかった。
何の真実を映すのか。
中園が転入してきた次の日、ある事件が起きた。二年の生徒が、原因不明の死を遂げた。
その生徒の周りには、蝶がたくさん飛んでいた。まるで、死体を隠すかのように集まり、黒い塊になっていた…その蝶こそ、死を呼ぶ蝶“黒死蝶”だ。
慌てた様子で、部活の朝練のために先に登校していた星斗が、駆け寄ってきた。
「マコト!聞いたかよ、昨日の話し!」
「ああ…二年の男子が死んだやつでしょ。」
「その死んだ二年、髪の色が天然の金髪の奴だってさ。」
「あの背の高い、ハーフの人。」
「そうそう!」
「確か、幼稚舎に妹さん、初等科に弟くんがいるよね。」
「お前、詳しいね。」
「ま、まあね…。」
「マコト、他人に興味ないって言ってたよな?」
「昨日の事で、いろいろ噂話とかが耳に入っただけさ。」
最初のコメントを投稿しよう!