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ニャー
耳元で猫の鳴き声がする。眠く重い瞼を、ゆっくりと開く。
「おはよ、しーちゃん」
目の前には、溺愛している猫のしーちゃんがいた。
「総哉さん、起きた?」
突然、扉が開くと、可愛らしくも整った顔立ちの青年が現れた。
「あれ、秋介。結局昨日、泊まったんだね」
総哉と呼ばれた男は、大人っぽい雰囲気を漂わせながらも可愛い物が大好きというギャップがある。
しーちゃんを抱き上げ、起き上がる。
「ちょっ…上!上着て下さい!」
秋介は、顔を真っ赤にさせながらそういうと椅子にかけてある白いYシャツを手に取り差し出す。
「…」
「なんで黙ってるんですか?」
総哉は、秋介をじっと見つめている。居心地が悪そうに視線を逸らすと、急に笑い声がした。
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