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死相だなんて…物騒だな。
「そうですか。
でも俺、占いとか信じないんで」
ひらりと手を軽く振り、その場から離れる。
まったく、縁起でもない。
死因はマスターのジュースとかか?
なんて馬鹿なことを考えながら薄暗くなった路地を歩く。
「死相が…出てますよ。
あなたの未来は闇…」
くすくすと不気味な笑いが誰もいない空間に響いた。
「あ、今日は満月か」
ふと空を見上げて頬を緩める。
しばらく満月なんて見なかったな…
「マスターに教えてやろ」
じゃあ、今日はこの素晴らしい満月にちなんで何か月に関係がある曲をアレンジしようか…
ジャズバーで弾く曲を考えながらしばらく満月を見上げていると、不意に嫌な予感が体をめぐった。
「……っな!」
とっさにしゃがみ込むと丁度首があったところを何かが通った。
そのまま横に飛び、体制を整えて全力で走る。
何なんだ!アイツは!
一瞬見えた明らかに人を殺すように作られてた刃物に冷や汗が止まらない。
チラッと背後を見ると、音もなく追ってくる黒い人影に恐怖が走る。
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