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「か、加代!声でかい!」
理子は辺りを見回したが、幸い誰にも聞こえていないようだった。
「ん?俺がどうかした?」
「た、武井さん!」
理子が後ろを振り向くと武井修二が立っていた。
武井は理子の一つ先輩で、細身のスーツをパリッと着こなす仕事のできる男だった。
「な!なんでもないんです!ただ武井さんってゆう女の子の友達の話をしてただけです!」
「なんだ、俺の話してくれてるのかと思ってドキドキしちゃった。邪魔してごめんね?」
武井は頭に手を当てて申し訳なさそうに笑った。
「いえ!大丈夫です!」
「お詫びに今日の夜どっか食べに行かない?ってゆうのはただの誘う口実なんだけど。」
「ほ、ほんとですか?行きたいです。」
「よかった。じゃあ7時に一階のロビーで。」
「はい!」
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