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辰磨は飲みかけのコーヒーが入ったカップを置く。
背もたれに体重を任せると、椅子がギシィと鳴いた。
「ところで、最近はどうなんだ」
辰磨は向かいに座り、ぼうっとしていた政哉に言った。
今日は結んでいる位置が高いからか、後ろ髪が大きく揺れた。
「どうって、何がどうなのか」
「もちろん、凍夜くんとの付き合いについてに決まってるだろう。順調だとは思うけどな」
「とーぜん。先輩と違って、俺は優しい好青年だからね」
「嘘つけ」
丁度そのタイミングで扉が乱暴に開かれた。
たたき付けるような激しい音に会話が途切れる。
続けざまに、慌ただしく走ってきたのは幹也だった。
幹也は迷いなく一目散に辰磨のもとまで駆けてくると、隠れるように辰磨の後ろへと回る。
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