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唇を離せば力が抜けたように床に座り込み、顔を伏せてしまった。
一方、政哉は平然とした表情で、
「こんなのは日常茶飯事だよ」
などと言っていた。
それからすぐ政哉は立ち上がり、凍夜の首ねっこを掴んで無理矢理立たせた。
扱いが雑だな、と辰磨は内心苦笑する。
「いきなり何すんだよ、オマエは!?」
「うるさいよ? 後で気が済むまでやってあげるって」
「……ば、馬鹿かっ! 変なこと言ってんじゃねぇよ!」
「はいはい。そんじゃ、俺らはこれでお暇するから」
暴れる凍夜を引きずりながら、ひらひらと手を振ってくる。
「幹也には悪いことしたね」
そう言って、二人は部屋を出ていった。
部屋には辰磨と幹也、二人だけが取り残される。
いつまでも後ろにしがみついている幹也に、
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