13人が本棚に入れています
本棚に追加
「何だ、羨ましかったか?」
とちょっかいをかけてみる。
しかし、そんなことは意にも介さずだった。
「驚いただけ、さ。政哉ってあんなことする奴だったっけ」
「さあな。政ちゃんがそれだけ溺愛してるってことなんだろう」
近くにあった幹也の手を握る。
小さくて、指が細くて長い。
女の手のようだ。
「なあ、俺はミキちゃんとキスしたくなったんだが」
「その呼び方止めてって言ってるじゃん」
「そんなのはどうでもいいだろう。無視するなら、ここで犯してやってもいいんだが」
「やめて、無視しないからさ!」
冗談でも何でもなかったつもりだが、冗談に留めておくことにする。
幹也が移動してきて、椅子の横に立った。
「キスすればいいんでしょ!」
「自棄になるなよ、ミキちゃん」
噛み付くような口づけを。
甘くて甘い、口づけを。
最初のコメントを投稿しよう!