~異変~

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「アルティア!!戻ったのか。」 話しかけてきたのはもちろんセレスだ。 「この騒ぎは何なんだ、リーダー様よ~。」 「いつからそんな他人行儀になったんだよ。」 セレスは笑いながらそんなことを言ったが、すぐに表情を険しくし淡々と話をしていく。 「ここからそう遠くない村に、軍が得体の知れない兵器を落としてきた。爆発物の類ではなかったけど、破裂と同時に激しい光を放っていたのを確認したらしい。すぐに調査部隊に被害状況を確認させに行かせたたよ。報告によれば、家などの損害は何ひとつなかったが、人という人が動かなくなっていたらしいんだ。まるで、その瞬間で時を止められたかのようにな。その兵器を落とされた村は…」 「どうしたんだ、セレス?」 セレスが言葉を詰まらせるのに、異常なほどの焦燥感を感じる。 ―絶対に違う。自分の勘違いだ。 だが次の瞬間、その想いは一瞬にして裏切られた。 「…俺達の村だ。ミレーヌなんだ。」 アルティアには両親がいない。5年前に軍の奴らにわけもわからない罪をきせられ軍へ連れて行かれた。殺されてしまったのだろう。今、アルティアにいる唯一の肉親は、村にいる妹のサーニャだけなのだ。
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