神霊入れの儀

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ペト、ペト・・・ ぎーは、笑う本田に歩み寄った。 「すーは、人間の嫌がる事をしちゃいけないって言ってた」 「そう・・・じゃあ、すーちゃんの手は取り戻さなくていいワケ?」 本田は顔を上に向け、意地悪そうに言った。 「・・・・・・」 ぎーは悔しそうに、くちばしをへの字にする。 「すーちゃん、手が痛いって泣いてるよ?かわいそ~」 「すーの手、返してもらいたい・・・」 ぎーは小さな、とても小さな声で言った。 その表情は今にも泣き出してしまいそうだ。 「じゃあさ、俺が手伝ってあげる」 コクリ・・・ ぎーは頷いた。 ぎーは、死んでしまったすーを、土に埋めることも、川に流すことも出来ず、すーの身体はとうとうミイラになった。 しばらくして、すーのミイラは人間に見つかってしまった。 人間たちと乱闘の末、腕以外は何とか取り戻せた。 その後、浅草寺裏の見世物小屋で、すーの手は「河童の手」として人気を呼んだのだった。
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