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――あれ? 俺なんでこんなとこにいるんだろ?――
見渡す限り黒。
暗闇とは違い、自分の手や体ははっきりと見える。
しかし、辺りは黒一色。何一つとして視界に捉えられるものはない。
――たしか、太一と部屋で話してて――
俺は今日? なのかもわからないが、記憶にある一番新しい出来事を思い出そうとする。
――そうだ。妹、美由が部屋に入ってきて、俺たち殺されて――
俺の血で染まった包丁を持つ、美由の姿が鮮明に思い出される。
――ってことはここはあれか? 死後の世界か? でも黒いから地獄? 俺なんか悪いことしたかな――
上下左右真っ黒な為、地面に立っているという実感が湧かないのだが、とりあえず胡座をかいてみた。
――このまま永遠にこの空間に幽閉とかないよな?――
などと考えていると、突然前方に出現する扉。
――なんだ? なんか怪しいけど・・・・・このままここにいるのも暇だし行ってみるか――
扉の前に辿り着くと、自然と扉が開き、まばゆい光に包まれた。
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