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「なんでこうなったんだろう・・・・・」
あの後、リリムのお父さんが「貴様!決闘だ!」とか言って地下の広い空間に連れて来られ、僕とリリムのお父さんは二人で対峙している。
「ねぇお父さん本当にやるの?」
「何を言ってるんだリリム。こんなチャラい男に騙されているのがまだわからないのか!?すぐにこいつの化けの皮を剥いでやるからな!」
心配そうな表情を浮かべるリリム。しかし僕の方を凝視しているから父親の心配はしてないように思う。
「小僧。名前はなんだ?」
諦めた様子のリリムから僕に視線を戻し、構えを取ったリリムのお父さんは尋ねてくる。
「タイチ=イガラシです」
答えながら僕も、とりあえず回避の為に軽く膝を曲げる。
「そうか。冥土の土産に教えてやろう。私はセイド=アクリシアだ。・・・・・・・魔法、魔武器あり、使い魔は無しだ。」
そこまで言うと、セイドさんは腰を落とし――
「いくぞっ!」
――戦いの火蓋が切って落とされた。
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