今時の王子様は白馬じゃなくてバイクに乗って現れる

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~Side太一~ 「タイチ!お父さんはもう闘えないわ!」 「・・・・・・・・あ・・・・・僕・・・」 リリムの声が耳に入ると、今まで脳が知覚しなかった情報が一気に流れこんでくる。 ひび割れた地面、ぼろ雑巾のような姿のセイドさん、僅かに匂う血の臭い。 「あ・・・・・僕・・・・・・また・・・・・」 カッとなってしまった自分に後悔して、その場に座り込む。 「タイチ!怪我はない?」 結界を解除し、近寄ってきたリリムが僕に声をかける。 「僕は・・・・・ね・・・セイドさん死んでないよね?」 ぴくりとも動いていなかったセイドさんの姿を思い出し、人を殺めてしまったかもしれない恐怖にかられる。 「お父さん?心配ないわ。しぶとさだけは天下一なの。それに結界が解除されたから元に戻ってるわ」 「え?それってどういうこと?」 何故結界が解除されると元に戻るの?リリムに詳しく聞こうとするが、彼女は笑顔でセイドさんが倒れている方を指差し、見るよう促す。
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