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空気が強張る。それを言ったときの矢口も固まっていた。 まるで俺が突拍子も無いようなことを言ったかのように……。
「美人って……お、おまえあの人を見てなんとも思わないのか?あのくりっとした目!サラサラの長い髪!すべすべしたお肌!そしてグラマラスな身体!すべてが特A級クラスじゃね~か!」
……わかったから落ち着いてくれよ。
「うーんずっと近くにいるからよくわかんないんだよな……。髪だってあいつ寝癖立ちやすいから、朝っぱらからあいつの家に行くとメデューサ(髪の毛が蛇の化け物)みたいにボサボサだし、グラマーな身体とか言ってるけどあれは寄せてあげ……」
その時俺の後頭部に何かがヒットした。
それは正確に、かつ俺の頭が吹っ飛ばされてもかまわないような意思が垣間見えるほどの威力だった。 悶絶しながらも落ちたそれを見る。
投げられたものは……教科書だ。
さらに教科書の飛んできたほうを見るとそこには鬼がいた。
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