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中学の頃は全員とまではいかなかったが、それでも告白されてきた何人かにはOKをだしていたというのに……。
「なあ……瑞樹って中学の時は彼氏いたよな?」
「……まあね、それがなんかあるの?」
不機嫌そうに言う。 これは地雷を踏むかもしれない。 やや腰を引き気味に聞いてみる。 逃げられる準備は万端だ。
「いや……なんで高校入学してからはまだ彼氏とか作らなくなったのかなって思ってさ、あまり気に入るのが少なかったのかな……なんて……」
プレッシャーに負けて、語尾が段々弱くなってくる。
「……別に特に深い理由はないわよ。ただいつまでも子供じゃないし、好きでもないのと付き合ってても仕方ないってことに気づいただけなの」
「そ、そうなんだ……ははっ……」
なんと返せばいいのか解らず、曖昧に笑って誤魔化す。
瑞樹はそのまま47号屋につくまでムスッとしていて、俺は聞かなければよかったなと少し後悔した。
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