起承転結の起。

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「いねえよ、というか高校入学してからろくに女の子とまともに会話してないような気がする」  それだけ返すのが精一杯だった。 「ふーん……そうなんだ!まあしょうがないよね~。和樹は地味だから、私くらいしか相手してくれる子いないもんね」  そう言ってうれしそうに俺の前をくるくる回りながら笑う。  余計なお世話だ。  いつになったらこんな生活が終わるんだろうと遠い目をして空を見上げた。 空には桜の花びらがいくつも舞っていてなんとなく気分が上向いた気がする。 まあどうにかなるかなと何の根拠もなく思ってしまう。  しかしその予感は見事に裏切られることになると気づくのはもう少し先の話だった。  その日は風雲急を告げるかのように春一番が吹き荒れていた。 4時限目の体育が終わって教室にもどってくると、自分の机の引き出しに手紙が入っているのに気づく。
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