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「足りない!もっと、もっとだ!声をあげ自分達がここにいることを宣言するんだ。そうわれわれは守護者だ。汚らわしく彼女に触れようとする不敬者に鉄槌を下し、決して認められずただただ彼女を守護するもの……それが我々だ!防衛隊だ!相馬瑞樹防衛隊なのだ!諸君……叫べ!雄叫びを上げろ!戦士としての覚悟を叫ぶんだ!さあ!さあ!さあ!」
だんだんと声を上げる人間が増えてきてやがてそれは歓声になっていく。 なんだか悪い夢を見ているみたいだった。
一体なんなんだこれは……?
演説男がぽかんとしている俺に気づき手を差し出す。 握手らしい……。
俺はぽかんとしながらも反射的に男の手を握る。 外見どおりの細い指でまるで女の子みたいだ。 触ったこと無いけど……。
男はニカっと笑い、
「はじめまして斉藤君、君のことは知っているよ。あの相馬瑞樹嬢と幼馴染だそうだね?うらやましい、実にうらやましいよ……」
「あ、あの……あなたは?」
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