眼鏡と青春の対立

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先輩は人のよさそうな笑みを浮かべ、さわやかに真ん中分けにした前髪に触れながらこれまたさわやかに答えてくれた。 「生徒会?いいよ案内してあげるよ。ほらこっちだよ」 「あっ、ありがとうございます。」 「ううん、いいんだよ僕は君を迎えにきたんだから」 「えっ?」  そのまま先輩は何も答えず歩いていく、俺もなんとなくそれ以上何も言えず黙ってついていった。  生徒会室は3階にあった。 奇しくも理科室の真上に位置している。 なんとなく嫌な予感がした。 いや今日あの理科室であったことを考えると当然のような気がするが……とにかくそう思った。  生徒会室とプレートが掲げられている部屋の前に立ち、彼はドアを開けてくれる。  生徒会室の中は六畳くらいの部屋で、何人かの男子生徒がいた。 生徒会の人たちだろうか? 見知った顔もいるけど生徒会に入ったのか? 「あのう……今日放送で呼ばれた斉藤なんですが、なにか用でしょうか?」
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