起承転結の起。

3/18
65人が本棚に入れています
本棚に追加
/258ページ
今日は実は高校の入学式なんだ。  新生活が始まるその初日に、俺は鬼のような幼馴染によって強制的に目覚めさせられ、そして今は賽の河原で石を積まされている可愛そうな子供のように瑞樹を自転車の後ろに乗せて走らされている。 「今度は何が理由で別れたんだ?」  道すがら、暇なので別れた理由を尋ねてみる。 「ああ、あの馬鹿ね……卒業の記念とかいってキスなんてしようとしたから、思いっきり股間に膝蹴り入れてやったわ!もしかしたらつぶれてるかもね……クスクス」  ……恐ろしい! 男子ならわかるあの弱点部分を容赦なくつぶそうとするなんて! 思わず内股になる。 そしてこの鬼が意外にもてるという事実にも毎回俺は身震いしてしまうのだ。  そもそもこの鬼……いや相馬瑞樹との腐れ縁はそれこそ俺達が生まれる前から必然のようにつながっていた。   親同士が高校の同級生で親友同士でその後の進路も同じ、しかも隣に家を建て子供までほぼ同時に作ってしまった。
/258ページ

最初のコメントを投稿しよう!