#1プロローグ

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 アベル国王は、その仄かなる恋心を結果諦める事になった。それは、自らが生き抜く時間と言う軸の中で、自らのようにシエルを食べてなどと言うことで不死の体を得ることの出来ないミレット皇女が先に亡くなった為であった。  ミレット皇女が、その心に何を思い描いたのか? その事実は計り知れない。秘め事であったのかもしれない。しかし長い間未婚を貫き通してはいたが、最終的にはリュウールの繁栄を考えることになり海底都市での元からの婚約者であった、従兄弟の皇子と結婚し、子をなした。その子供の名前が、ミレーヌ皇女と言う。  その事を知った時、アベル国王は、自らの不死と言う体を鑑みる事無く、必要な事であったのであろうか? 否そうであるはずも無いだろう。一代で事足りるので有るのだから。しかし国の中から厳選に厳選を通した妻を娶り、子孫を残した。その子供が、アルベール皇子と言う。  そして運命の歯車は、その世代に噛みあわなくなるとはこの時のまだ赤子である、アルベール皇子と、ミレーヌ皇女は知る由もなく、その子孫達はまた、激動の時代を生きる事になる。
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