2、乗り込む女、嫌がらせ男

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杉原 流は、薄めで私を嫌な感じで見下していた。 「こんな遅くまで、よく粘ったもんだ。ヒマ人が」 溜め息をついて、タバコを吸い始めた。 私は慌てて立ち上がり、さっそく考えていた言葉を投げつけた。 「今朝のあなたの発言は何なんですか?他のお客さんのいる前で、露骨に嫌がらせして、止めて下さい!腹が立つの通り越して、常識を疑いますよ!」 「へぇ、それで?」 「あなたには単刀直入、ハッキリ言います。もう二度とうちの店に来ないで下さい!」 どうだ、言い切ったよ私。 ほらほら、言い返せない。 驚いて、タバコすら吹かすのも忘れている。 「...やだね、俺はあくまでも客だし、嫌ならおまえが仕事辞めろよ」 ムムム...ムカツクーッ! 本気でムカツクから、最後の手段でコイツを殴る! 私はすかさず右手で平手打ちを構えたら、ギュッとまたしても強く腕を掴まれた。 まだ、昨晩の腕の痛みも消えてないのに。 「痛っ、離してよ!絶対殴ってやるんだから!あんた本気でムカツクから!」 杉原 流は余裕な嫌らしい笑みを浮かべて、私の怒ってる表情をワザと覗きこむ。 「ざけんな。そんな力で俺を殴れるかっての」 何で、そういうふうにしか他人と向き合えないの? 私、こんなでも結構傷ついてるんだよ。 怒ってたって、傷ついてるんだよ。 我慢して、押さえたりして、それでもやっぱり、こんなのオカシイって思ってここに来たの。 どうして、そんなに他人に意地悪して平然と笑っていられるの? 相手の事、考えたら、自分を他人に置き換えたら、凄く不愉快な思いをするんだって分かるでしょ。 そういう言葉や態度をすることが、自分に正直だなんて私は間違ってると思う。 勘違いもいいとこよ! 「あれ、何?泣いてんの?」 どうして、何で...ってモードになると、泣けちゃうよ。 「弱いな、おまえ」 また、鼻で笑ったし。 悔しい、こんな奴に泣かされて。
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