3、落ち着く場所

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近頃の私は何かがおかしい。 動きが、感情が、起伏が激しい。 喫茶店ではグラスを落として割ったり、花屋ではハサミで指を切ったり、何かがおかしい。 「ご注文はお決まりですか?」 私のひきつる笑顔の先は、やっぱりコイツ。 杉原 流。 あんたのお望み通りの嘘臭い笑顔をとくと見たらいい。 なのに、コイツってば一切私を見ないで朝刊広げて、長い邪魔な足をほおり出して、ボソッと私にしか聞こえない声で言う。 「いつものに、決まってんだろ...」 本当にコイツ。何様なんだ。 私に対してのこの態度、腹立つ。 私は口を尖らせて、失礼な流のアイスコーヒーを入れて、席へと運ぶ。 「お待たせしました」 口唇にタバコを加えて、相変わらず一切無視。 ありがとうも言えないなんて、性格とことんネジ曲がってるねコイツは。 あぁ、感じ悪い。 うっとうしい。 無駄にイライラして、アイツの出す重い空気に毎朝呼吸するのが苦しくてしかたない。 ペースが乱れまくる。 何を考えているんだ。 私に何を仕掛けようとしているんだ。 次はどんな嫌がらせをされるんだ。 確かなものが、見えない。 こうしている間にも、流は何かを企んでいるんだ。 最悪...。 私は流の背中を見つめながら、首を傾げた。
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