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ママの言葉にビクッとした。
「ママ、私はもうクビになるの?」
「そんなこと、一言も言ってないでしょ。笑ちゃんの心と身体が心配なだけよ」
「...ママァ~、ふぇ~ん...」
私はママに泣きついた。
こんなによくしてくれる人達のいる喫茶店を私は辞めたくない。
疲れているから、失敗したから、嫌がらせを受けているから、だなんて理由で辞めることは、私は自分の弱さに負けたも同じ。
自分がその場、その一瞬に集中してないのが悪い。
それに流の嫌がらせには絶対に負けたくない。
言い訳はしたくない。
自分自身の事だから。
しかし午後からの花屋のバイトでも、やらかしてしまった。
アレンジの金額を聞き間違えたり、段取りが悪くて店長が来て、売り場の配置でことごとくダメ出しされ、怒られた。
「笑ちゃん。全然お花を売るって気持ちが、こんな売り場の配置じゃ、お客さんに伝わらないよ。身が入ってないんじゃないの?やる気のない人は花屋はいらないよ」
うっ!
身が入っていない!
ずばり、そんな感じでその後は何も言い返せない私がいた。
今日はズタボロ。
はまり日の中でも、相当なはまり日。
ほぼ半泣き状態で、家路へと戻る。
一瞬、流の背中がまばたきした時に浮かぶ。
アイツからの嫌がらせ、意外と私の精神力を狂わせているな。
バカ...アイツ...大嫌い!
言い訳はしない。
ただ、誰かのせいにしていいならば、流の他にはいない。
やるせない気持ちが込み上げる。
悔しい...傷付いただなんて少しでも感じる自分に。
アイツ一人のために、こんな思いをしている自分に。
腹が立つ...。
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