4、大嫌いの理由

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どれくらい流の胸の中に居たのだろう。 時間の流れも、今ある空間も忘れてしまうくらい、不思議と心が安らいだ。 何をやってもうまくいかない。 人からどう思われて、自分がどうしたいのか。 怒りや悔しさ、憎らしさだとか。 自分の溜め込んでいた黒いモノが流に話した事で、オセロのように全てが白いモノにひっくり返されて、もうクヨクヨしてた悩みなんてどうでもよく思えた。 だって、この中凄く心地がいいんだもの。 何だか調度良い体温で、安心するんだもの。 くるまっていたいぐらい、落ち着いちゃうんだもん。 もう少しだけ、もう少しだけ...って、布団から出られない感じ。 完全に納まっちゃってるよ。 そんな私の髪を、流が柔らかい手付きでそっと触れるから目を開けて流を見た。 その時だった。 柔らかい口唇が、私の口唇に軽く重なった。 私は思わず驚いた表情をしてしまった。 流の視線は私の口唇をまだ見ている。 突然の流のキス。 ゆっくりと流の視線が上がってきて、私と視線がぶつかった時に、急激に私は身体全体でドキッとした。 やばい...。 この感覚...好きになる...。 ニコリと笑いもしないで、じっくりと無表情で見つめる流。 やだ、何コイツ。 何で、そんな目で見るの? 早く視線を逸らしてくれなきゃ、私が逸らせないじゃない。 変にドキドキしてるのを、バレないように私は必死に隠していた。 キスされて見つめられて、次は何をしようと企んでいるんだ?
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