1、喫茶店の女、感じの悪い男

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か弱い女性に、あんな強引なことをして傷つく行為をする男は最低最悪だよ。 私は対して、か弱くもないし傷ついてもいないけど。 あれやこれやと帰ってから思い出すんだろうけど、今夜のことは誰にも言えない。 秘密にしておこう。 素知らぬ顔をして、時夫の待つ家へと戻る。 「おかえり、今日は遅かったね。寄り道してた?」 「うん、ちょっとコンビニ長いしちゃってさ。そしたら喫茶店の子と会って、立ち話よ」 「立ち話とは、オバサンだね。お疲れさん」 「ちょっと、先にシャワー浴びてくるよ」 「どうぞ~」 時夫はテレビに釘付けて、全然私を見ていない。 ま、いっか。 首筋に残る、あの男の口唇の感触がなんとも気分が悪くて。 早く洗い流したい。 あっ...。 私の腕には不自然につけられた、あの男の指の痕がクッキリ残っていた。 押さえると痛い。 なかなか消えない年齢なんだよな。 こういうの...。
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