第一訓

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―暑い。 今日はこの単語だけで表せる。それ以外に言えることはきっとないだろう。 いや、言う気がないのだろう。 だって、暑いからだ。空から降り注ぐ太陽の光。煩い蝉の鳴き声。そして、 「あっづぃー‥」 あの 暑い と言う言葉。 まぁ、夏といったら 暑い という言葉をよく耳にするものだ。 「‥なぁ‥霧都ォー」 先ほどの夏定番の言葉を発した少年が霧都という少年を呼んだ。 「何だ?」 霧都という少年は振り向き、返答した。 「何って‥暑い!どうにかしてくれよォー」 こう、無理な願いをいい始めた少年の名は『梓 右京(アズサウキョウ)』。 紅髪で金色の瞳をしている。黒のラインが入っている丈の長い服を着ている。髪の毛はほんの長い程度。だらしなくめんどくさそうな目をしている。 「無理だ。俺は別に魔法使いでも何でもない、」 きっぱり右京に断った少年、『獅鏡霧都(シキョウキリト)』。 紺色の長い髪の毛は一つに結ってあり、瞳も深い紺だ。白に近い水色の羽織を羽織って腰には刀を下げている。 .
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