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そして、霧都が作った夕食を食べ、夜遅くに二人は家を出て行き、隣街へ向かっていく…はずたった。
そして向かっている途中、どこかで道を間違え今や昼だと言うのに暗い森の中。地図を見て歩いていた霧都は道を間違っていたことを随分前からわかっていたが、言い出せず、右京に聞かれても結局、言えなかったのだ。
「つーか、真面目に暑い!道間違えなかったら、ぜってー俺が干からびそうになることはなかったな!」
右京は魂の抜けた目で霧都に訴える。
「だったら、貴様が道を示せばよい。」
右京とは逆に、霧都は涼しい口調で言う。毎日毎日、涼しい顔をしていて何を考えてるのかがあまりわからない。
暫くギクシャクしていた空気が続いていた中、木陰から声が聞こえた。おそらく幼い少女の声だ。
「お前ら!アタシの縄張りで何をしてるっ!?切腹だぞ!!」
可愛い声で何気恐ろしいことを言いながら木陰から現れたのは、幼い少女だった。
ピンクの長い髪の毛は赤い飾り紐で二本に結ってある。
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