第一訓

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髪の毛と同じ色の、クリクリのつり目ぎみの瞳。 そしてチャイナ服のような和服。とても丈が短い、膝より長い黒靴下。服装は和風だが、雰囲気は洋風の少女みたいだ。 そして少女は、右京と霧都を上目遣いで喋る。 「早く名を名乗れ!!」 初対面の右京たちにも関わらずため口で話す少女。 すると、霧都が黙って静かに少女の前に立った。 急に、冷たい風が吹く。暑かった身体が、風のお陰で寒いくらいだ。 風が吹くたび、その場にいる三人の髪が靡く。 ゆっくりゆっくり少女に近づいて行く霧都。 霧都の深い紺色の瞳は、今や獲物を狩る獣のような瞳に見える。 その霧都の、威圧に少女は勿論今まで一緒に歩いていた右京までもが、驚いている。 今まで、圧されていた少女だったが、意を決意し霧都に言葉を発する。 「お、お前ら!もう一度言う!ここから出て行け!!」 だがそんなこと気にせず霧都は少女に言った。 .
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