四月

4/13

192人が本棚に入れています
本棚に追加
/184ページ
「よし。じゃあ沖田の自己紹介も、終わったことだし今日は解散だなぁ。」 担任の緋村先生(女)は嬉しそうに職員室へと、戻って行った。 どうやら今日は終わりのようだから俺は早速寮へと、戻ろうとしたら、隣の席の一ノ瀬君に話し掛けられてしまった。 「よう!えーっと、燐だよな?寮の部屋とか何処?遊びに行ってもいいか!」 「部屋は三号棟の402だ。遊びには来るな。」 俺の部屋はまだ段ボールの森だ。とても人に見せられるわけない。 「ははーん。まだ段ボールの森だから人に見せられるわけ無いとな?」 ! 「よくわかったな。それも魔法の一つか?」 「ひゃは!いやいや、何となく言って見ただけさ!図星か!あ、俺の部屋は三号棟の404だぜ。近いから行くよ!」 マジでか。 善は急げだ!そう言って走って帰ってしまった一ノ瀬をただただ見ていると、次は知らない女子に話し掛けられた。 「沖田君?」 「そうだけど。何かようか?」 「これから一年間よろしくね。」 そういってニコッと笑った彼女の名前は、どうやら楪 瑞希(ゆずりは みずき)と言うらしい。
/184ページ

最初のコメントを投稿しよう!

192人が本棚に入れています
本棚に追加